» 2012 » 7月のブログ記事

【今回の経理のツボ】

今回の経理のツボも、前回に引き続き「与信管理」について考えてみたいと思います。

前回は、具体的な場面に合わせた情報収集について考えてみました。

今回は、原点に立ち返って「与信管理の重要性と与信限度額」について

考えてみます。
☆ 共倒れ倒産を回避するには
企業が存続するためには、取引を拡大・継続するとともに、その回収を確実に行うことが必須です。

回収が滞り貸倒れが発生することは、会社に大きな損害をもたらし、最悪の場合は共倒れ倒産ということもあり得ます。

支払ってくれる取引先とだけ取引を行うのが理想ですが、ここで「支払ってくれるかどうかの見極める」

ということが大きな課題となります。

そのために要求されるのが与信管理で、その内容はstage1の信用調査や

これからご紹介する与信限度額の算定になります。

取引先の基本的な管理は、下記の流れとなります。

1)新規の商談があがる

2)信用調査を行う

3)与信限度額を算定する

4)実際の取引に踏み切る

取引先の状況や自社の状況は、刻一刻と変化します。

よって、継続的に取引を行う場合は、定期的に信用調査と与信限度額の算定を行うことで、

常に状況を把握することも重要となってきます。
☆ 与信限度額とは

それでは、与信限度額とは一体どのようなものなのでしょうか。

理想は、支払ってくれる取引先とだけ取引を行うことです。

しかし、現実の問題として、そのような安全な取引先とだけ取引をしていては、

取引先はどんどん減り、企業経営が成り立ちません。

決して安全ではない取引先とも取引しなければならない状況下で知りたいのは、

「実際いくらぐらいまでの損失なら良しとするか」ということです。これが与信限度額です。

与信限度額は、具体的には、その取引先への債権は最大いくらまでだったら大丈夫なのかという金額です。

取引先が倒産して債権回収ができなかった場合、その時点での債権が貸倒れの対象となります。

安全な取引をするには、この与信限度額を超えないように、受注量や回収のサイトをコントロールしなければなりません。

多くの中小企業では、取引成立がゴールで回収が甘かったり、

経験から生まれる勘を頼りにそれぞれの取引先との取引量を決定していたり等、

なかなか与信限度額の算定がなされていないのが現状です。

共倒れ倒産を回避するには、与信限度額を把握しておくことは不可欠です。

では、どうやって与信限度額が決定されるのかを考えてみましょう。

与信限度額は、相手がどの程度なら支払えるのか、自社はどの程度の貸倒れだったら耐え得るのか等を把握して決定します。

安全な相手であれば与信限度額は大きくなり、逆に危険な相手の場合は与信限度額は小さくなります。

また、自社に貸倒れに耐える体力があれば、思い切った取引も可能ですので、与信限度額は大きくなります。

また、回収条件も重要な要素となります。

手形取引は現金取引よりもリスクが高く、回収期間も長くなれば長くなるほど、債権が積み重なってリスクが増します。

与信限度額の具体的な計算方法は幾通りも考案されており、

それぞれの方法にメリット・デメリットがあります。

よって、さまざまな手法で計算し、比較検討するのがよいでしょう。

次回は、具体的な算定方法についても検討してみたいと思います。
参考資料

「天明茂の管理会計実践塾」

「中小企業のための経営計画策定支援」

「MyKomon財務管理」

「TKC経営指標」

「出典:佐藤澄男講演レジュメ」

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【今回の経理のツボ】

今回の経理のツボは、多店舗展開をするうえで、現在の

経営資源をどのように拡大・変化させていくのか考えてみ

たいと思います。
現在経営している店舗の業績が良くても、1店舗で稼ぐ収益

には限界があります。経営のリスクを分散し、長期的な収益

を上げるために多店舗展開という選択肢も検討する必要が

あるでしょう。

多店舗展開には、人、物、金などの経営資源や競合企業など

の外部環境を見極めたうえで判断する必要があります。

ここでは、いくつかの切り口で多店舗展開という成長戦略に

関する留意点などを説明いたします。

★資金

2店舗目を出店するにも、設備投資などの資金調達が必要に

なります。資金調達が不十分なまま無理に出店すると、資金繰り

が厳しくなりますので、ある程度の自己資金の確保と金融機関

などからの資金調達の準備を計画的に行う必要があります。

財務計画においては、低金利の政府系金融機関(日本政策

金融公庫など)からの資金調達や、設備投資などに対する減税

(中小企業投資促進税制など)などの中小企業施策を活用する

ことにより、効果的に事業を成長させることも検討しましょう。

★立地

出店場所に関してもいくつかのポイントに留意する必要が

あります。自店の商圏調査や、出店予定の地域における競合状況

や顧客特性を調査して、慎重に出店場所を選定する必要があります。

まずは、既存店舗との距離に関する留意点を次に示します。

(1)既存店舗と近い

既存店舗と近い場合には、商圏が重なり店舗同士で顧客の

共食い現象が起きる場合があります。商圏調査により商圏エリア

を明確化させ、どのような立地戦略をとるのかを検討しましょう。

距離が近い場合のメリットとしては、複数店舗で従業員シフト

が組める、経営者の管理が行き届きやすいなどが考えられます。

(2)既存店舗と離れている

既存店舗と離れている場合には、店舗同士の顧客の共食い現象

は起こりませんが、店舗間での商品移動や店舗スタッフの応援など、

オペレーションが非効率になります。
次に、自分の店に来ている客は、いったいどこから来ているのか?

商圏を把握する必要があります。商圏を把握するには次のような

手法があります。

①数式など理論上から商圏を把握する

理論上から商圏を把握する代表的手法には、「ハフモデル」など

があります。「ハフモデル」は、主として小売店舗の立地計画について、

事前に集客力、売上高の予測を行うためのモデル式のことです。

②実態調査により商圏を把握する

実態調査による商圏の把握方法で一般的なものは、「来街者調査」

「買物調査」などがあります。商圏は、距離ばかりではなく、

線路や川、橋などの物理的条件や自動車の渋滞などの時間的条件も

影響します。たとえば、距離的に近くに店舗があっても、階段を

上って線路を越える必要がある場合には、その店舗に来店する確率

は少なくなると言えます。

★人材教育

新しい店舗では、店長やスタッフが必要です。店長候補は、店舗での

販売や管理、人的教育などに関するノウハウを身に付けておく必要が

あります。また、店舗スタッフは新しく採用することになりますので、

戦力となるためにきちんと教育する必要があります。

既存店でのノウハウをできるだけマニュアル化しておき、教育する

うえで活用することをお勧めします。マニュアルは、パソコンなどを

用いてデータで作成すれば、あとで修正が可能となりますので効率的

です。

店舗において、ある一定レベルの業務や接客レベルを保つには、

マニュアルが非常に効果的です。マニュアルによって、定型業務が

こなせるようになったら、少しずつ裁量の幅を広げるなど柔軟な

人材活用が企業の成長に寄与します。

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