【今回の経理のツボ】

今回の経理のツボは、多店舗展開をするうえで、現在の

経営資源をどのように拡大・変化させていくのか考えてみ

たいと思います。
現在経営している店舗の業績が良くても、1店舗で稼ぐ収益

には限界があります。経営のリスクを分散し、長期的な収益

を上げるために多店舗展開という選択肢も検討する必要が

あるでしょう。

多店舗展開には、人、物、金などの経営資源や競合企業など

の外部環境を見極めたうえで判断する必要があります。

ここでは、いくつかの切り口で多店舗展開という成長戦略に

関する留意点などを説明いたします。

★資金

2店舗目を出店するにも、設備投資などの資金調達が必要に

なります。資金調達が不十分なまま無理に出店すると、資金繰り

が厳しくなりますので、ある程度の自己資金の確保と金融機関

などからの資金調達の準備を計画的に行う必要があります。

財務計画においては、低金利の政府系金融機関(日本政策

金融公庫など)からの資金調達や、設備投資などに対する減税

(中小企業投資促進税制など)などの中小企業施策を活用する

ことにより、効果的に事業を成長させることも検討しましょう。

★立地

出店場所に関してもいくつかのポイントに留意する必要が

あります。自店の商圏調査や、出店予定の地域における競合状況

や顧客特性を調査して、慎重に出店場所を選定する必要があります。

まずは、既存店舗との距離に関する留意点を次に示します。

(1)既存店舗と近い

既存店舗と近い場合には、商圏が重なり店舗同士で顧客の

共食い現象が起きる場合があります。商圏調査により商圏エリア

を明確化させ、どのような立地戦略をとるのかを検討しましょう。

距離が近い場合のメリットとしては、複数店舗で従業員シフト

が組める、経営者の管理が行き届きやすいなどが考えられます。

(2)既存店舗と離れている

既存店舗と離れている場合には、店舗同士の顧客の共食い現象

は起こりませんが、店舗間での商品移動や店舗スタッフの応援など、

オペレーションが非効率になります。
次に、自分の店に来ている客は、いったいどこから来ているのか?

商圏を把握する必要があります。商圏を把握するには次のような

手法があります。

①数式など理論上から商圏を把握する

理論上から商圏を把握する代表的手法には、「ハフモデル」など

があります。「ハフモデル」は、主として小売店舗の立地計画について、

事前に集客力、売上高の予測を行うためのモデル式のことです。

②実態調査により商圏を把握する

実態調査による商圏の把握方法で一般的なものは、「来街者調査」

「買物調査」などがあります。商圏は、距離ばかりではなく、

線路や川、橋などの物理的条件や自動車の渋滞などの時間的条件も

影響します。たとえば、距離的に近くに店舗があっても、階段を

上って線路を越える必要がある場合には、その店舗に来店する確率

は少なくなると言えます。

★人材教育

新しい店舗では、店長やスタッフが必要です。店長候補は、店舗での

販売や管理、人的教育などに関するノウハウを身に付けておく必要が

あります。また、店舗スタッフは新しく採用することになりますので、

戦力となるためにきちんと教育する必要があります。

既存店でのノウハウをできるだけマニュアル化しておき、教育する

うえで活用することをお勧めします。マニュアルは、パソコンなどを

用いてデータで作成すれば、あとで修正が可能となりますので効率的

です。

店舗において、ある一定レベルの業務や接客レベルを保つには、

マニュアルが非常に効果的です。マニュアルによって、定型業務が

こなせるようになったら、少しずつ裁量の幅を広げるなど柔軟な

人材活用が企業の成長に寄与します。

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